長いコトノハ駄文
□紅葉のきみへ…後編…
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「…さあ話を聞きましょう…一条さん」
3、謎
ここは先ほどの場所から少し離れたこの場所に古くからある温泉旅館。
建物は年期を感じさせる。
侑子に言われここに場所を移したのである。
落ち着いた和室の空間に百目鬼たちはいた。
眼鏡を外し机の上に置くとゆっくりと始める。
「あれは4日前…」
一条の勤める葬儀社に依頼の電話が入る。
それが始まり。
依頼者はこの山の山頂にある別荘の持ち主佐伯 加奈子の甥と名乗る者からであった。
叔母のご遺体の搬送と葬儀の依頼で。
…が、この件は所謂いわくつきで。
佐伯 加奈子を看取った医師を甥は病院まで送り他の葬儀社の人と家に戻ったのだが…入れなくなったと言った。
家は見えるが一向に入れないのだと言う。
そこで一条の会社に依頼がきたのだ。
彼らの居る…いわくつき専門の葬儀社に。