短いコトノハ駄文
□桃花夜曲
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扉を開けてみれば、花桃の匂いが立ち込め、清々しい風が私の周りを包むように…。
その花の色あいも抜けるような白や燃えるような紅、少女が思う相手に見せる桜色、さながら天女の如く慎ましく、美しい。
…私は手を引かれ、導かれるように、あの人の元へ…。
‡桃花夜曲‡
「ふう…」
百目鬼静は精神集中の為に瞑想してみる…が、でるのは溜め息ばかり。
気を取り直し、再度行うが…。
らしくないと思う。
以前にもこんなことがあった事を思い出して苦笑いする。
大体こんなに自分をを乱せるのはたった一人の人物で。
…四月一日君尋、彼以外に自分を乱すものは今のところいない。
前は喧嘩という(何が原因かは忘れたが)ものでお互いに痛み分けをしたのだが…今回は。
「あんの阿呆」
もう十日以上、彼と遭うことが出来ないのだ。