短いコトノハ駄文

□桃花夜曲
1ページ/20ページ

扉を開けてみれば、花桃の匂いが立ち込め、清々しい風が私の周りを包むように…。

その花の色あいも抜けるような白や燃えるような紅、少女が思う相手に見せる桜色、さながら天女の如く慎ましく、美しい。

…私は手を引かれ、導かれるように、あの人の元へ…。



‡桃花夜曲‡



「ふう…」

百目鬼静は精神集中の為に瞑想してみる…が、でるのは溜め息ばかり。

気を取り直し、再度行うが…。


らしくないと思う。
以前にもこんなことがあった事を思い出して苦笑いする。

大体こんなに自分をを乱せるのはたった一人の人物で。

…四月一日君尋、彼以外に自分を乱すものは今のところいない。

前は喧嘩という(何が原因かは忘れたが)ものでお互いに痛み分けをしたのだが…今回は。


「あんの阿呆」

もう十日以上、彼と遭うことが出来ないのだ。
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ