短いコトノハ駄文

□花火
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今この瞳に見えるのは、

闇空に咲いた

朱や蜜柑色や紫陽花色…

宝石の煌めきを帯びて

まるで降り注ぐように



「花火」



「…すごいな」

ビニールシートに寝ころんで、漆黒の空を見ている。

どんっ、て音が遅いか早いかしているうちに雨のように降ってくる…花火。


「な、すごいな」
隣で同じく寝ころぶ彼…百目鬼静に問うてみた。

「ああ」

大きな音に消されて彼の声は聞き取れないが…隣にいるという事が…妙にくすぐったいようなそんな気持ち。


「うわあ、またあがったって」

いちいちあがる度に声出すなんて、可笑しいかな?

「ほら〜」

ちょっと離れた所に仲の良い恋人どうし。


「…」
彼に聞こえないように小さく溜め息をおとす。
今ここにいるのは…四月一日君尋と百目鬼静の二人。



年に一度の花火大会。
ここは特別席で…花火の真下で見られるという特等席。
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