短いコトノハ駄文

□それは君と繋ぐ白いリボンのよう
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それは君と繋ぐ白いリボンのよう


1、清いものに愛でられた子

12月も半ば過ぎ、行き交う人も外気も冬一色のこの日、朝は晴れていたのだが下校する時間になると土砂降りの雨になった。
この日百目鬼静は珍しく部活である弓道部が休みになり、帰り支度をして下足室に向かった。
そこには同じく帰り支度を整えて話をしている九軒ひまわりと四月一日君尋がいた。
「あ!百目鬼くん、ちょうど良かった。傘持ってる?」
「ああ」
「四月一日くんを入れてあげてくれないかな?私ピアノ教室で…」
「おう」
ひまわりは四月一日を心配しているのだ。それは百目鬼も同じ事で。何度となく倒れたりしているのでまた何かあったらと。
「おれは嫌だ!お前と相合い傘なんて!濡れて帰るわ!」
つっかかる四月一日に「バイトか?」とかまわず質問を投げつけてくる。
「聞いてんのか?」「ふふっ、2人とも仲がいいね…じゃあ百目鬼くんお願いね」
「おう」
「ひまわりちゃん〜」
ひまわりは雨の中に消えていく。

「バイトまで…」
そう言いかけたとき「侑子さん今日お客さんを迎えにいくから留守なんだと」
と言ってきた。
「そうか」

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