短いコトノハ駄文

□少しの勇気と愛があれば
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「お前なんか嫌いだ」

こう言うこいつ…四月一日君尋の瞳を見てると酷く心を乱される。

今まで抑えてきた感情の堰が切れて流れ出るようなくらいに。

出来るものなら今此処で無理矢理自分のものにしようかとどうかと言う考えが頭の中で葛藤している。

「俺は好きだがな」

「嫌いだ」

「好きだ」

そんな問答を繰り返していたが、行動を取ってみた。

とりあえず手首を掴んでみる。

こいつの手首は細く華奢だ。

細心の注意を払い、逃げられないように力を入れる。

「痛っ、何するん…」

言い終わらないうちに壁にこいつを押し付けた。

ひらりとカーテンが風で揺らぐ。

そうだここは学校で。
放課後委員会の仕事をしていたのだ、九軒の代わりのこいつと。

四月一日は俺の手紙の折り方が悪いと文句をつけた挙げ句、俺の性格がどうとか文句をつけてきた。

そのうち無反応な俺を見て怒りだして「お前なんか嫌いだ」と言ってきたのだ。

…で冒頭に至る。

気が付くと外は夕闇に包まれていた。


残っているのはほんの一握りであろう。

「やめろ!何なんだ!」

「好きだからだ」

「……嫌い」

こいつの左手を掴んでた手を離し、煩い唇がある顎を掴み口付ける。

嫌いだと言わせないために。

塞ぐ。

口づけしたらもっと欲しくなる。

深く、荒々しく。


何度も。
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