短いコトノハ駄文
□願いは君の傍らで
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「痛っ…」
四月一日は呟いた。額からは一筋の紅い雫。
雫は足下に落ちていき、そこには無残にもひしゃげた眼鏡と割れたガラスの破片。
「四月一日!?」
教師が声をかける。
そう今は体育の授業中で。
この日も隣りのクラスと合同で授業、いまはバスケットの試合中であった。
心配したクラスメートが駆け寄り、心配そうに声を掛けてくる。
「平気…」と返す四月一日の声はいつもとは違う。
「…油断した…」
血が滴り落ちる額をおさえながらつぶやく。
……なんだっていうんだよ……。
朝見た光景が目に浮かぶ…。あいつのある場面を見てしまったこと。