長いコトノハ駄文

□倭文織(しずおり)の糸、綾織の糸
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彼の首に手を回し、彼の唇を、激しく深い口づけを感じてしまっていた。

逃げ場がない壁にもたれ、互いを確かめるように口づけをした。

偶に当たる左肩の傷は痛みを呼ぶ。
それがどうでも良いほど、四月一日は感じてしまっていた。

「…あっ」

彼はするりとシャツの中を滑り込むように手を進めてきた。
息があがり、体を紅潮させたその肌は微かに汗ばんでいて…その手は滑らかな白い肌に触れ…撫で回していく。

「…ひゃ」

甲高い声があがり、シャツの中の手が小さな突起を探り当て…触れたのだ。

それと同時に首筋にかりりと噛みつかれる。

「…っ、」

歯を立てられた場所を舐め上げられ、激しく吸われる。

小さな突起に触れた指はこねるように動き、摘まれ…体がびくんと大きく揺れた。

「ん、…あっ」

いつの間にかシャツをはだけられていて、首筋からゆっくりと伝い落ちる舌と唇の感覚に、…ぞくぞくとし、それを逸らそうと身を捩ると肩の傷が壁に当たって…擦れ、ずきりと痛んだ。
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