長いコトノハ駄文
□倭文織(しずおり)の糸、綾織の糸
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「あ…」
彼の舌が耳を離れたかと思うと、そのままゆっくりと…ほんのり紅く染まった四月一日頬に移動させ、這わしていく。
舌の感触と触れるか触れないかの彼の唇の動き。
「…ん」
その動きにぞくぞくとしたものが波のように押し寄せ、四月一日は徐々に息が上がっていく。
彼の舌と唇が、上がった息をつく為に開かれた僅かな唇の隙間に到達する。
柔らかな唇に舌を這わせ、軽く吸うと…一気に舌をねじ込む。
「ふっ…ん」
ねじ込まれた舌を、それを待っていたかのように自分から絡めてしまっていた。
唇の端からは、透明な滴が流れおちるのも構わずに、お互い貪るように激しく、何度も角度を変えて舌を絡め合い…深い口づけを交わす。
四月一日の中に自分でもどうにもならない熱が、体の中を駆け巡ってしまっていた。
その感覚に戸惑いを隠せなかった。
気がつけば、目の前の自分を強く抱き上げ…唇を奪い…その存在を焼き付けるような彼に、自らしがみついてしまっていた。