長いコトノハ駄文
□金色の時の間(はざま)に
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「あら楽しそうね」
襖を開けて薄紅色の着物を纏い髪をあげた怪しい美しさのこの“願いを叶えるミセ”の女店主は入ってきた。
「…この間はどうも有難うございました」
一条は立ち上がり頭を下げた。
「…いいえ、頼んでいたものはそれかしら」
テーブルに置かれた紫色の包みを侑子は差した。
立ち上がり、一条に挨拶をすると部屋をでようとした四月一日に侑子は台所にある水差しを持ってくるように言った。
四月一日が言われた通り水差しを持ってくると、なにやら一条と侑子は楽しそうに話をしていた。
「なんですか?」
「今度百目鬼くんちで宴会をしましょうと密談してたの♪」
「はあ…」
水差しをテーブルに置いた。
紫色の包みは開けられていて小さな壷が置かれていた。
「…水を壷に入れて頂戴」
四月一日は言われるまま水をいれた。