長いコトノハ駄文

□揺蕩う糸の…
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「…糸の事がそんなに気になるの?かな」

遙に言われ、こくんと頷く四月一日。

「“君尋”は和尚さんから貰った“静”と出会う為の糸を“遙”に渡した。…彼は自分が死ねば、それで終わると思ったから…何故なら」

「…“君尋”も君も…同性であったからでしょう?」

遙はまた煙を吐く。
「…そうで、す」

そう言うと四月一日は俯いてしまう。

「…同性故に“遙”について行っても、“静”の側にいても」

遙の言葉に四月一日はびくんとして、呟く。

「おれも“君尋”も命を繋げる訳もないですから」


冷ややかな風は二人を通り抜ける。


四月一日はぐっと拳を握りしめる。

「…どんなに相手を…想っていても、側を望んだとしても…おれは」


「…だから今回も、静と私の側を辞しようと?」

そう言うと遙は煙草を消して、四月一日を見つめる。
…その目は冷ややかで、それでいて怒りに近い何かを秘めた様に。
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