長いコトノハ駄文

□紅葉のきみへ…番外編…
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「…はい」
「…じゃあ慶さんあなたの左手を一条さんの右手の甲にかざして。」
「…え?オレが?…こうですか?」
手をかざすのを見た侑子は頷いた。
「良いわよ…それを外して頂戴」
一条は左手で数珠を取った。慶の手のひらから青い炎が出て一条の手甲を包んだ…まばゆい光が部屋を包んで。
「…え?」
光のあとから一条の手に残ったものは…銀色のブレスレットだった。
「きゃーっ!成功!」
侑子は手を叩く。
「…これは?」
「封印よ」

「…あの侑子さん、話が全然見えないんですけど…。」
四月一日が言った。
一条遮那は狗神を奉る一族の出であり、右手に刻印された力が暴走しないように封印が必要なこと、以前の封印の数珠は遥が与えたものであることなどを聞いた。
「俺が中坊の時に遥様に預けられたその日に狗神の力で遥様に襲いかかったんだよ…そしたらニッコリ笑った後一撃でのされたよ。…その時悟ったよ、金輪際逆らうのはやめようと…」
と遠い目で煙草を吹かす。遠い目で。
「…え?あの遥さんが?」
「見たことあるの?」
「…たまにおれの夢に現れて…」
一条はじっと百目鬼にホールドされた四月一日を見る。
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