短いコトノハ駄文
□いつかへの願い
3ページ/6ページ
「これから四月一日のところに行くのでしょう?」
「はい」
「あの子はね、いつも無理をするの…限界があるのに。…弱くてそのくせに見せないの。何時も一人で耐えるの。どんなに苦しくとも助けを求めない」
彼女は続ける。
「それは今までのあの子を考えると仕方のないこと…。ヒトに助けを求められないほど弱い子なの」
「…わかっています」
「少しずつだけど変わってきているから……ヒトとの出会いでね」
彼女はポンと俺の肩をたたく。
「じゃ…四月一日をお願いね」
「はい」
「あの子はにぶちんで大変だけど…アナタなら」
…守りなさい、大切なものを…
「後…鍛錬するのは良いけど必要以上にしないように…何かあったら悲しむヒトがいるでしょう」
そう言うと彼女は戻っていく。
彼女の背中に一礼をせずにはいられなかった。