☆ FaiyrTale *リュウガ* ☆

□Fallen Angel〜紅い剣〜
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**◇◇side**


船長室の窓から外を窺う。


今夜の敵は、多いのか一向に片が付かない。


それどころか、苦戦を強いられている様で、シリウスの面々にも苦痛の表情が見え…


傷ついていく姿が目に映る…


それは…愛しい船長も同じで…


ふっ…と自傷じみた笑いを零す…。


あぁ。皆には明かしていない…


あの穢れた黒い秘密…。


それを知られる時がきたんだと。


“さぁ。孤独の中に戻って来い。”と囁く…


もう一人の私…。


穢れた黒い秘密が知られた結末は、いつも同じ…。


穢れた自らを見る…周りの拒絶の瞳(め)…それからなる孤独…。


しかし…必死になって此処に敵を近づけまいと戦う…


愛しいあの人…


シリウスのメンバー…


もし…彼らが傷つき…敵の刃の前に倒れたら…


イヤ…そんなの…


楽しかった生活が頭を過ぎる…


愛しいあの人を…彼らを…失うくらいなら…


自らに降りかかる…拒絶と孤独を受け入れよう…


こうなる事は…分かっていた…


だから…今までは…必要以上に人と関わる事を避けていたのに…


こうなる事は分かっていた筈なのに…


私は…心を許しすぎた…


今は…ただ…これ以上…


愛しいあの人を…彼らを……傷つけるのは…


『赦さない…』と心に誓い…船長室の扉を開けた…


身を潜めながら甲板へと降りていく…


次第に大きくなる…戦闘の音…


コツンと足元に当たったソレを見れば誰かに倒されたであろう敵の男…


その傍らには、男の物と思われる剣が1本転がっていた…


剣を手にし目を瞑った…


今宵…初めて…“人を護る”為に剣を振るいます…


…神様…神様…お許し下さい…


“さよなら…愛しいあの人…彼らが知っている…◇◇…”


今度は…私が…彼らを護ってみせるッ!!!


その時…


『船長ッー!!!!!!』


と叫ぶソウシさんの声がした…。気づけば、身体は愛しいあの人…元へ動いていた…。



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