■ 御伽草子 -真田 幸村- ■

□冬の夜
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季節は、身を切る様に凍える“睦月”


今夜も外は深々と雪が降っている。


今、俺達はとある事情で上田に帰って来ている。


滞在が長くなるが、城に帰る事を拒否した俺の為に才蔵が空き家を村の者から借り滞在している。


足早に帰路につく…


今夜は、少し遅くなった。アイツは、どうしているだろうか…


やがて、灯かりの燈った一軒家が見えてきた…


雪の深々と降る中…表にウロウロとする人物が…


○○だ…


あのバカッ!!!その姿を見て○○の元に駆け寄る…


「お前ッ!!!風邪ひくだろうがッ!!!」


一瞬、その声にビクッとしたがすぐに柔らかな笑みを向け…


「幸村様…お帰りなさい…ごめんなさい…お帰りが遅いので心配に…それと…灯かりに照らされた
雪が綺麗だったので眺めたくて…」


まったくコイツは…


「入るぞ…」


囲炉裏の火がつけられており家の中は、ほんのり暖かかった…


「幸村様…寒かったでしょ…お茶を…温まりますから…今、夕餉を準備しますね…」


そう言って、夕餉の支度に立っていく○○。


その姿を見て、心地よい感覚に浸る…


帰って…誰かが迎えてくれるっていいもんなんだな…


そんな考えていると…


「幸村様…才蔵さんと佐助さんは…」


「あぁ…アイツらは、もう少し遅くなる…先に飯にしようぜ」





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