☆ FaiyrTale *リュウガ* ☆

□その瞳。‐本当の意味‐
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酒樽から出てきた少女…。


一見するとその顔は愛くるしく見えるものの…そこにある大きな瞳は…


この船にいる全ての人間を警戒しているかのように見て取れる。


あの日、少女が口に出した言葉は、自分の名前と寝泊りする為に選んだ部屋の主(あるじ)である俺の名前。


◇◇がシリウスに乗船して暫らく経つが、


◇◇の態度は変わらず…口数も少なければ、あの警戒するような眼差しも保ったままだった。


◇◇は、俺の部屋を選んだあの日から部屋の隅で布団にくるまって眠っている。


「◇◇…。そろそろ、んな隅っこにいないでこっちでゆっくり寝りゃいいだろ。んなに、警戒しなくても何もしねーよ。」


そう声をかけても、◇◇が部屋の隅から動くことはなかった。


それからも「俺が床で寝る。」「ここが嫌なら別の部屋に移ってもいいんだぞ。」「そこのイスで寝てもいいぞ。」


といくら言っても◇◇の答えは…。



「いいの…此処で…」


と変わらぬ答えを口にし、部屋の隅で布団にくるまり夜を過ごしていた。


ある夜…◇◇が寝込んだのを見計らってベッドへ運んでやろうと◇◇の身体に触れた瞬間…


◇◇は、すぐにその大きな瞳を見開き…キッと俺を睨みつけた…。


◇◇が俺に言葉を発しようとしたその時。


『敵襲だッー!!!!!!!!』と告げる声


それと共に怒鳴りながら船に乗り込んできたであろう敵の男達の声が響いた。


◇◇には、初めて体験するであろう恐怖…。


俺に発しようとした言葉も忘れ、ただただ身体を震えさせる。


少しでも◇◇が安心するように穏やかな口調で◇◇に声をかける。


「◇◇…◇◇…。いいか…此処から絶対に出るなよ。
敵のヤツらは此処には絶対に入らせねーから。大丈夫だ…直ぐに終わる…。」


うん。うん。と頷く事が精一杯な◇◇。


その頭をにポンポンと手をのせ、船長室を後にした・・・。


「今夜のヤツらは口ほどにも無かったですね。」


とシンが言う中…


ソウシが続いて口を開く…。


「船長…◇◇ちゃんは大丈夫ですか…?」


その言葉に慌てて船長室へ戻った…。



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