いろいろ

□君に目眩
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そんなシュウさんの様子が可笑しくて、つい小さく笑ってしまう。

すると後頭部を掴まれ、無理矢理胸に頭を押し付けられた。

シュウさんの胸がドクドクと音を立てているのが分かる。

『…もしかしてシュウさん、照れてるんですか?』

「うるさい」

顔を上げようとすれば、更に手に力を込められた。

ちょっと痛いけれど、私の言葉に彼が照れてくれたのなら嬉しい。

『(幸せ…)』

少しずつ彼の体温が伝わってきて、うつらうつらと眠くなってくる。

「たまご…」

ふと名前を呼ばれ顔を上げると、額に唇を落とされた。

『…へ?シュウさ…んっ』

額からそのまま、鼻、目元、頬、顎、と順番に軽くキスをされる。

「お前は俺のものだ。どこへもやらない…」

そう言って私の髪にもキスを落とすシュウさん。

いつも優しいけれど、いつも以上の優しさに頭がクラクラしてくる。

私、相当重症なんだな…。

「何考えてんだ、俺のことだけ考えておけ」

髪を掬われたと思えば、今度は救われた髪の下から覗く耳にキスをされた。

『ひっ…』

「そうか…たまごはココが弱かったな」

空いた指でくりくりと耳をなぞられ、撫でられ、弄られる。

私は声を押し殺すので精一杯だ。

「聞かせろよ…なんで声抑えてんだ、よっ」

語尾に力が入ると同時に身体を反転させられる。

つまり今はシュウさんに後ろから抱き締められている状態。

『シュウさん、どうし…』

振り返る前にぎゅうっと抱き締める腕に力を込められ、私は動けなくなってしまう。

こうしていると本当にシュウさんに閉じ込められて、どこへも行けないみたいだ。

…それすら、嬉しい。

『シュウさん、さっきの…キス、なんですけど…』

「あぁ」

『その…くち、唇にもキス…ください』

自分から言うのは恥ずかしい。

けれどわざと唇だけを残して他にキスしてくれたってことは、シュウさんは私から言われるのを待っていたんだろう。

「…自分からしてみろ」

そう言って私の顔の隣に顔を寄せてくるシュウさんは本当に優しい。

少し顔を横に向けるだけでキス出来そう。

『…』

「ん…」

軽くリップ音を立ててキスして見せると、シュウさんの口から吐息が漏れる。

それがなんだかとても大人っぽくて、なんだか身体の奥がじんわりと熱くなった。




君に目眩
(物欲しそうな顔しやがって)

***あとがき

朔様リクエスト作品です!

ご希望頂いた設定でピックアップしたのは↓
・一人称は私
・話し方は敬語
・性格はおとなしくて寡黙
・色っぽいことは苦手
・頬がさくらんぼのように紅くなる
・恋人同士
・自室で本を読もうとするとベッドの上でシュウさんが寝ていた
・甘いお話
・和室、畳

シュウさんの寡黙キャラ難しくて中々…筆が進まず…←
今回はほのぼの甘にさせて頂きました。
シュウさんとひたすらだらだらしているのは楽しそうですね。

いつもありがとうございます!
ぜひご感想お待ちしております★

とこたん。
 
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