いろいろ

□幼馴染の壁を今
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「青峰くん!」

「…ったく、さつきはなぁ…」

『…』

ふと、仲良さげな大揮くんとさつきちゃんが目に入る。

先輩たちは何とも思ってないみたいだけど、私にはとても辛い。

大揮くんとさつきちゃんと私は幼なじみ。

小さい頃から今までずっと一緒なのだ。

だから今さら恋愛感情も何もないと思っていたのは、つい最近までのこと。

私は気付いてしまったのだ。

私は恋愛感情で、大揮くんが好きだということに。

「おい、たまごからも何か言えよ!」

さつきちゃんの頭をガシガシと撫でながらこちらを見る大揮くんに、私は耐えられなくなり目を逸らした。

「? おい、たまご…」

『離してっ!!』

伸ばしてきた手を軽く避けて私は大揮くんを見る。

『あ…』

思った以上に大きな声が出てしまい、周囲の視線の的になる。

ごめん。

そう言いかけて言葉を飲み込んだ。

『…今日は練習休むから。じゃあね』

目を合わさず呟くようにそれだけ言って、私は荷物を持って体育館を去る。

「…」

そんな私を、大揮くんは眺めていたなんて知らずに。
 
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