いろいろ

□ちょっとだけ
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放課後。

今日は珍しく部活はなし。

だからたまごちゃんと一緒に帰る約束をしていた。

「(そろそろ行かねーと)」

そう思って鞄を肩に掛けると

『高尾くん!一緒に帰ろ?』

「お、たまごちゃん」

たまごちゃんが俺のクラスまで来てくれた。

『ホームルーム早く終わったから来てみたんだけど…高尾くんも終わってたみたいだね?』

苦笑いで自分の元まで歩いてくるたまごちゃん。

ふと、ぷるぷるの唇が目入る。

「…」

『?』

あ、なんか塗ってる…。

いつも綺麗だけどさらに綺麗なたまごちゃんの唇を見て、俺は思う。

朝見かけた時は…たぶんつけてなかった。

だからたまごちゃんは、俺と居る時は少しでも綺麗になりたいって思ってるのかな?なんて期待しちまう。

もう一度、チラッとたまごちゃんの唇を見る。

そうだ…ちょっとだけ。

「たまごちゃん」

俺はたまごちゃんの肩を掴んで自分の方へ向かせる。

そして。

『ん?どうし…』



ぺろっ



『!』

たまごちゃんの唇を、舐めた。

その瞬間、クラスメート達から黄色い歓声が上がった。

『ななな何してっ…』

「ちょっとだけだし、いいっしょ?」

『よくない!さ、先に行くからね!?』

騒ぐクラスメート達を残して、俺は足早に教室を去っていくたまごちゃんを追いかける。

あー、なんか今日俺ヤバいかも。
 
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