いろいろ

□Like a sunshine
1ページ/3ページ




今日の放課後に話がある。

委員会の仕事が終わってからでいいから自分のクラスに来てほしい。

彼氏の幸村くんにそう言われて、私は委員会の仕事を終わらせてさっそく幸村くんのクラスへ向かった。

『幸村くん!』

「…たまご…」

入り口から顔を覗かせて言えば、幸村くんは驚いたような顔をしていた。

自分から呼んだのにどうしたんだろう。

『どうしたの?部活は?』

「これからでござる。話す時間はあと数分しかござらんが…」

『どうしたの?』

「…単刀直入に言わせてもらう…」

そう言いながらも口をもごもごとさせている幸村くん。

『ゆっくりでいいよ。ちゃんと聞くから言ってみて?』

少しでも落ち着くことができるように幸村くんの頭をそっと撫でる。

すると幸村くんは、私の肩を押し返してきた。

『…?』

あれ…私、もしかして今…

幸村くんに拒絶された…?

今までこんなふうにされたことはなかったので、私は内心とても焦る。

『ゆ、幸村くん?』

「某は…もう…その…」

顔を上げた幸村くんと目が合う。

それと同時に幸村くんは残酷な言葉を口にした。

「もとの関係に戻りたい…っ!」

『え…』

「某は先ほど申したように急いでいる故…失礼致す!」

そう言って幸村くんは走り去っていった。

教室に一人取り残された私。

『…』

脳内を整理するため、先ほどの言葉を思い返す。

゙もとの関係に戻りたい゙

もとの関係って…付き合う前の友達同士の関係のこと…?

『…』

あぁそっか。

私、フラれたんだ。

理解すると、一斉に涙が溢れてきた。

『…』

週末は一緒に買い物にも行ったのに。

この前だって一緒に帰ったのに。

昨日だって…手も、繋いだのに…

なんで。なんで。

何もした覚えはないのに、なんで…。

『…っくぅ…』

でも、ここで声を上げて泣いたら幸村くんに聞こえてしまう。

面倒な女だと思われてしまう。

何より、幸村くんに迷惑をかけてしまう。

『っく…ふぅ…っ』

私は声を我慢しながら泣き続けた。
 
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ