テニプリ

□ある一日のことでした。
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放課後。

部室で謙也と仲良く縄で縛りつけられ座らされてます。

この縄どっから持ってきたんやろか。

「たまごちゃん大丈夫〜?蔵リンに虐められて可哀相やねー」

小春ちゃんが心配してくれる。

『せやでな!白石くんと謙也が悪いんやんな!』

「ちょ…たまごっ見捨てんといてや!」

謙也のあほー。

自分が悪いけど、とりあえず謙也のあほー。

『…てか、なんで私謙也と一緒に縛り付けられてるん!?』

「共犯やろ?」

私と謙也を見ていた白石くんが言う。

『ちゃうわ!どうせやったら謙也とは別々に、その…縛ってや!』

「(゙縛ってや!゙やと…!?)…ぶはっ!!ちょっ、堪忍!」

白石くんは鼻を抑え走りながら部室を出て いった。

意味わからんやっちゃな。

「てか、たまごもそこまで嫌がらんでもえぇやんか!゙父親と洗濯物一緒にせんといでみたいなノリいやや!」

『そんなんちゃうわ!単純に嫌なだけで

そっちの方が傷付くわ

やって謙也めっちゃ爬虫類くさいもん

やめてくれ。だいたい何や爬虫類くさいって…」

謙也が何か言うてるのをスルーしていると



ガチャッ



白石くんが部室へ帰ってきた。

すると、金ちゃんが白石くんに飛び付 く。

「白石ィ!ねーちゃんの縄解いたってや!ワイ、はよ、ねーちゃんと遊びたいねん!」

何やこの天使は

「え、たまごのためだけ?俺は?」

「…金ちゃん、堪忍な。たまごと謙也は…禁忌を犯してしもたんや…」

白石くんが表情を曇らせてそう言うと

「ね、ねーちゃん…!」

金ちゃんが絶望的な顔をした。

『金ちゃん…ごめんなぁ…』

「ねーちゃん…」

見つめ合う私たち。

あぁ、このままニ人の世界n「なぁ金ちゃん俺は?たまごだけ?」

謙也は黙っとき

『なぁ、白石くんはよ帰らしてや!今日は"崖の下のぷっちょ"の再放送が…』

「知るか」

冷たくあしらわれてしまう。

『お願い!ほんまにお願い!』

目をかたく閉じてお願いする。

「ん〜………反省したか? 」

『おん!した!めっちゃした!ごめんなさいもうしません!』

そんな私の健気な姿に白石くんは少し考える素振りを見せる。

「…ほんま?」

『おん!』

「明日からマネージャーの仕事ちゃんとやるか?」

『おん!』

コクコクと素直に頷けば、白石くんは爽やかに笑う。

「ついでに俺の下の名前呼んでみ?」

え、何やっけ

ん?

『う、嘘です嘘です蔵ノ介ー!』

一瞬、人生の終わりが見えたわ。

めっちゃ怖かったもん、白石くんの顔。

そう思っとったら、白石くんはゆっくりと縄を解き始めた。

「しゃーなしやからな」

『はよ頼むで!あとちょっとしか時間ないねん!』



シュルシュル



「ん、解けたで」

白石くんはそう言うと



シュルシュル



再び謙也を縛る。

『よっしゃぁ!ほなな!ドンマイ謙也(笑)

「ちょ、たまご!みっ…見捨てるなー!!」

家に向って全力疾走するたまごには、謙也の声は届いていなかった。



ある一日のことでした。
(家までリズムに乗って走り抜けるで!)

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