テニプリ

□ある一日のことでした。
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『あ、白石くん寝てる』

ある日の午後の授業中のこと。

「ほんまや…珍しいな」

隣の席の謙也と一緒に、私の前の席で寝ている白石くんを見る。

ちなみに私の席は窓側の一番後ろ!というわけにもいかずその二つ前の席。

うん、微妙。

だってしゃーないやんそこまでくじ運よくないし。

『なぁ謙也…白石くんいじって遊ばへん?』

それはほんの興味本位で出た言葉。

「お、えぇやん!いつも弄られてる仕返しってことで」

『え…』

まさかノってくれるとは。

あの謙也が。

あのヘタレの謙也が。

彼に何があったのだろうか!

そのナレーションやめてくれへん?

『あはは』

「うざいわ」

そして、どちらからともなく視線を白石くんに向ける。

『…』

「…」

いじると言ったものの、白石くんを見つめるだけの謙也に私は痺れを切らして急かす。

『はよ何かしてや』

「何で俺が!」

謙也は驚いた様子やった。

え、なに、私がやるの?

提案者は私やけど、実行者は謙也やろ?

『お、男やろ』

「関係あらへん!」

いやいやと首を振る謙也。

やっぱただのヘタレやったわ…

「なっ…!たまごが言い出したんやからたまごがやったらえぇやん!」

うっ…そう言われると弱い…。

『はぁ…これやからヘタレは困るねん』

「俺ヘタレちゃうもん!」

『しゃーない、私が男を見せたるわ

ちょっとちゃう気ぃするんやけど

私は先生の目を盗み、席を立つ。

そして、机に手をついて上半身を乗りだし白石の耳元で囁いた。

『謙也が、゙あーあの超絶エクスタ男マジで有り得へんわー、頭壊れてんちゃうん?いっそ頭に包帯巻いた方がえぇわ"って言うてたで』

それ自分の愚痴やろ…大体俺そんなん一言も…」

謙也が何か言うとったけど無視や無視。

私が椅子に座った瞬間…

んぬぁああああ!!?

白石が絶叫した。
 
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