テニプリ

□ツンデ恋歌
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そうこうしているうちに屋上についた。

俺が適当に座るとたまごも俺の隣に腰掛ける。

『あーおなかすいた!早く食べよ!』

たまごが自分の弁当箱に手をかけるのを見て俺も弁当箱を開ける。

『うわー、日吉くんのお弁当おいしそう』

そう言いながら、じーっと見つめられる。

「あぁ、母さんが作ったものだからな」

『そうなんだ!卵焼きとかすごいおいしそう!』

「まぁな」

「…」

『…』

「…」

『…』

「…食えよ」

『ほんと!?』

そう言って欲しかったんだろ。

と、心の中でつっこむ。

『じゃあ…遠慮なく』

そう言ってたまごは口を開く。

「…」

『…』

「…」

『…』

「なんだよ」

『あーん』

「却下」

『えぇ!!いいじゃん!』

「誰がするかよ」

『ちぇー…』

そう言いながらたまごは自分の箸で俺の卵焼きを頬張る。

『うん、おいしい』

「そうか」

『日吉くんが食べさせてくれたらもっとおいしかったのに』

「うるさい」

そう言って俺も卵焼きを頬張る。

…あまい。

『日吉くん』

「なんだよ」

『好きだよ』

「知るか」

『その目も好き!』

「…」

『授業中もかっこいいし。てか、日吉くんって何もしてなくてもかっこいいよね。テニスしてる時がずば抜けてかっこいいけど』

「…」

確かに授業中は、こいつからすごく熱い視線を感じる。

正直困る。

何をそんなに期待しているんだろうか。

『日吉くんはすっごい優しいし』

「…俺がか?」

『うん!』

「この前ノート貸しただけだろ 」

『あー、あのあとはテンションやばかった』

思い出して一人ニヤけるたまご。

『はぁ…これこそ愛!恋だよね!』

そう言ってたまごは目を輝かせる。

「勘違いだろ」

『ひどい〜』

そう言ってまたたまごは、へらりと笑う。

『日吉くん』

「…」

『大好き!』



にこにこ。



何がそんなに嬉しいんだよこいつは。

でも、こいつの笑顔を見ていると心が温かくなるような気がする。

「俺は大嫌いだ」

『相変わらずツンデレだね!』

「別に…」

そう言って、いつの間にか食べ終わっていた弁当を片付ける。

『え、ちょっと、日吉くん!私お弁当作ってきたのに…』

「…誰が食うかよ」

俺はそう言って、弁当箱を持って立ち上がる。

『え、ちょっと…待ってよ〜!』

そう言って、まだ食べかけの弁当を慌てて片付けるたまごが俺の視界の端に映った。



ツンデ恋歌
(部活後は腹減るから食料残しとかないとな)
(日吉くん待ってよ〜!)

***あとがき

からあげ食べたい。
 
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