テニプリ

□ツンデ恋歌
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愛や恋なんて、空想の中だけのものだ。

…と、俺は思う。

はっきり言ってくだらない。

『日吉くん』

「…」

『日吉くん』

「…」

『ひよ「なんだよ」』

いかにも鬱陶しそうな態度をとる。

可愛くないなんてことは自分でもわかってる。

でもそんな俺の冷たい対応なんて気にしないで、お前はいつもこう言うんだ。

『好きだよ!』

やっぱり。

『てことで屋上行こっか!』

「どういう流れでそうなるんだよ」

『だって、もうお昼だよ?一緒に食べよ!』

「はぁ?なんで俺が…」

そう言うと腕をとられぐいぐい引っ張られる。

「おい…」

『…ん?』

振り返ったたまごは満面の笑みを浮かべていた。

「………お、俺の弁当は?」

そっぽを向きながらたずねる。

そんな笑顔、せこいだろ。

『あるよ!もちろん日吉くんのも持ってきた!』

俺のかばんを漁ったのか…。

悲惨なことになってなければいいのだが。

『それとねー、今日は日吉くんのためにお弁当作ってきたんだ!』

なんだよそのキラキラした目は。

「そうかよ」

俺はまた、そっけなく返す。

そのそっけない言葉を聞いてたまごはまた笑った。
 
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