テニプリ
□ドキドキ恋模様
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「あ」
『ん?どうしたの?』
水分補給をしようとして思い出した。
たまご先輩がくれたドリンクボトル、コートに忘れてきた。
「コートにドリンク置いてきたんで、取ってくるッス!」
スッと立ち上がり、たまご先輩に背を向ける。
すると
『あ、待って』
服の端を掴まれ、引き止められた。
キュンッと心臓が音を立てたけど、平然を装ってみる。
「ななな、なんすか?」
めっちゃどもったけど
『これよかったら…飲む?』
スッと差し出されたドリンクボトル。
中身は半分ほど。
何よりこれ…さっきたまご先輩が飲んでたやつだ!!
「(これってもし俺が受け取ったら…所謂間接キスになるんじゃ…!?)」
またも固まっていると、たまご先輩は恥ずかしそうに目を逸らした。
『さすがにイヤだったかな…』
ボソボソと言うたまご先輩を抱き締めたくなる衝動をなんとか抑える。
「いや、ほしいッス!ください!」
くださいと言いながらもほぼ強引にボトルを受け取り、一気にそれを飲み干す。
「ごちそうさまッス!じゃ、俺そろそろ練習してくるんで!」
ボトルを返し、俺は目も合わせずにコートへと駆け出した。
こんな真っ赤な顔、見られたくねぇし!
ドキドキ恋模様
(ぜ、全部飲み干すとは…やっぱ喉乾いてたんだ)
(たまご先輩と間接キス!キス!キッス!)