テニプリ
□ドキドキ恋模様
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スパーン!
「っしゃ!」
スマッシュの音が気持ち良く辺りに響き渡る。
俺は滝のように流れ出る汗を乱暴に拭った。
「(とりあえずちょっと休憩すっか…)」
コートから少し離れたベンチの方へと向かう。
ベンチに腰掛けようとすると、そこには先客が居た。
『赤也くん、お疲れ!』
「たまご先輩!」
大好きなたまご先輩だ。
「たまご先輩も休憩ッスか?」
『うん、ちょっとだけ疲れちゃってね…』
「今日すげぇ暑いッスもんね…」
じわりと流れ出る汗をまた服で拭うと、たまご先輩はタオルを差し出してくれた。
『これ使って?』
にっこり笑顔付きで言われると、自分の頬が赤くなるのが分かった。
自分の心臓の音がやたら大きく聞こえる。
ドキドキしたまま固まってしまい受け取れずにいると、"ほら"と再度タオルを差し出された。
「うす…!」
なんとかタオルを受け取り、ガシガシと顔全体を拭う。
『赤也くんも休憩するんだよね?隣、空いてるよ』
そう言いながら、指先でベンチをちょんちょんと軽く叩くたまご先輩。
「し、失礼しまっす!」
とりあえず頭を下げ、隣に腰掛けた。
隣に居るたまご先輩からは、洗剤っつーか柔軟剤っつーか、よく分かんねぇけどいいにおいがした。
やば、俺、くさくねぇかな?