テニプリ
□アンハッピーバレンタイン
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2月14日、午前2時。
『ふぅ…やっと終わった…!』
一つの家の一つの部屋に、一つの灯りがついている。
『さすがに結構疲れたなぁ…』
チョコまみれになっているエプロンを外し、洗濯機に放り込む。
たまごはテニス部員の皆へ、バレンタインチョコを作っていたのだ。
今、箱詰めが終わったところである。
かかった時間は計り知れない。
『これが幸村くん、これが真田くん、これが柳くん………』
一つ一つ確認をとる。
そして最後に一つだけ、他と違うラッピングのものを手に取った。
『これが赤也のぶん…』
何回も何回も作り直して、一番上手くできたもの。
『喜んでくれるかなぁ…』
可愛い可愛い、私よりひとつ後輩の赤也。
ついいじりたくなる髪とか、明るい性格とか、色んなところが大好き。
もはや私の原動力は赤也だぜ!
そんなことを考えながら、軽く寝る準備を済ませ自分の寝床に入る。
私はすぐに深い眠りについた。