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□アンハッピーバレンタイン
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あーかーやぁぁあああ!!!

「えっ!?は、はいっ!?」



シン。



赤也が返事をした途端に静まり返る部室内。

あの幸村くんも驚いている。

そりゃそうや。

「ななな何でそんなに怒ってるんスか!?」

赤也本人も相当焦っている様子。

当然の反応やと思う。

実際、私のしていることが逆ギレやってことも自覚してる。

でも。

『もういい!知らん!赤也なんか知らん!』

「はぁっ!?俺、何かしたっスか!?」

抑えられへんわ、この怒りだけは。

あー、イライラ通り越して泣きそう。

『そら一方的にキレられて"何!?"って思ってるかもしれへんけどな!私の努力を知らへんからそないなこと思えんねん!だぁあーっイライラする!ほなな!アデュー!!』



バタァアンッ

…ミシミシッ



あ、ドアにヒビ入った。

でもそんなん知ったこっちゃない!

私は構わず、教室へと足を進めた。

一方、テニス部部室内では。

「「「…」」」

沈黙が続いていた。

「お、おい赤也…何したんだよお前…」

「ゆでさんがあんなに声を荒らげるところ…初めて見ました」

沈黙を破ったのはジャッカルだった。

続いて声を上げたのは柳生。

「俺が聞きたいっスよぉ!なんであんなキレてるんスか!?」

赤也は未だ焦っており、本当に心当たりがない様子。

「無自覚か…一番厄介なパターンだね」

さすがの幸村も苦笑いをする。

「何が…あったのでしょうか」

柳生が眼鏡を掛け直しながら誰へともなく言う。

そんな中、一人が静かに挙手をした。

「あ、あのさ…」

遠慮がちな声。

声の主は、ブン太だった。

「俺ちょっと…ってか、ほとんど知ってる…かも」

「マジっスか!?何なんスかホント!教えてくださいよぉ!」

途端にブン太に泣き付く赤也。

ブン太は赤也に揺すられながら、目を逸らす。

「仁王も知ってるぜぃ?」

「…プリッ」

話しにくそうな二人に、幸村が優しく微笑みかける。

「何かあったのか?」

「………実は…」

幸村にそう問われ、ブン太は観念したように口を開いた。
 
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