テニプリ

□positive thinking
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『ちょっ…ブンちゃん苦しい…首締まってる…』

「たまごせんぱぁぁぁい!!」

ぞうきんを投げ出してたまご先輩に飛び付く。

『ちょっと!男ニ人に抱き着かれるとか!暑い!苦しい!ムサい!

「まぁそんな照れんなよぃ」

いつ誰が照れた?

たまご先輩を後ろから抱き締めてる丸井先輩に負けじと前から抱き着く。

喋りにくそうなたまご先輩が気になるけど…

丸井先輩がたまご先輩にくっついてる手前、離れるわけにはいかない。

なんか負けた気分になるから!

「ひどいっスよぉたまご先輩!」

三人でそんなやりとりをしながら喋る。

たまご先輩が現れたことと、このまま掃除しなくてもいいんじゃないかという嬉しさが2つ同時にやってくる。

先輩と部活の話し合いしてましたって言ったら先生も怒んねぇよな。

……………怒られるか。

とりあえず今は掃除のことなんて考えたくなくて。

目の前のたまご先輩を堪能したくて。

たまご先輩の頬を指でつついた。

あ、ぷにぷにしてる。

「なんだよたまご、お前後輩にもいじられてんのかよぃ?」

ガムを膨らませ、おちょくりながら言う丸井先輩。

『違う違う!他の子はこんなことしてこないし!』

そんな丸井先輩の言葉に必死で反対するたまご先輩。

いや、たまご先輩。

あんた俺にいじられてるっスよ、充分。

『後輩でこんなことしてくる子なんていないよ!』

じゃあやめた方がいいっスか?

と、口を開こうとした時。

『赤也は特別だよ』

たまご先輩は苦笑いしながらそう言った。
 
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