テニプリ
□切原赤也の葛藤
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「…」
俺は、庇うようにたまご先輩の前へ出た。
そしてウザウザーを睨む。
「You have misunderstood.(勘違いしているようだな)
…Stupid(バーカ).」
『え、ちょ…蔵兎座…』
たまご先輩はなぜか焦った顔をしていた。
俺は不審に思い、静かな声で尋ねる。
「たまご先輩、こいつ今…何て言ったんすか」
『え!え、えーと…』
明らかに動揺しているたまご先輩。
「…」
身体はウザウザーに向けたまま、視線だけたまご先輩に移動させる。
すると、たまご先輩と目が合った。
『え、えーと…おばかさんって…』
俺はキレそうになった。
でも、ちゃんと理性を保つことができた。
後ろにいるたまご先輩が、俺の制服を掴んでいるのが分かったから。
「…」
なんとか怒りを堪え、後ろにいるたまご先輩の手首を掴み、俺は学校へと足を向けた。
ウザウザーとすれ違いざまに、英語で何か言われたけど俺の耳には届いていなかった。
断じて訳せなかったわけじゃねぇ。
よく聞こえかっただけだ。
…嘘だよ嘘。
訳せなかったんだよっ。
『あ、ちょっ…こら、赤也…!えっと、Have a nice day〜!』
最後までウザウザーに英語で話し掛け、ブンブンと手を振るたまご先輩。
イライラがおさまんねぇ。