GO-ON!!

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『…』

敷地内に入ると、ヤクザが数人構えていた。

「おォい何じゃテメェ等!」

「勝手に上がり込んでんじゃねー!」

「ヒーローと警察だ!違法薬物製造・売買の容疑で捜索礼状が出てる!」

コテコテの人だスゲェ!

感動するとこそこ?

切島くんと私がごちゃごちゃと話していると、ヤクザの構成員の一人がイライラしたような態度を見せてくる。

「知らんわ!」

ヤクザが松の木を使って攻撃を仕掛けて来た。

「っと、大人しくしといて!」

それをヒーローが前に出て、スタイリッシュに片してくれる。

流石プロだ、動きが早い…!

迷いが一切無い。

「真っ直ぐ最短で目的まで!!」

ファットガムの声に頷きながら、私達はまた走った。

「火急の用や、土足で失礼するで!」

ドドドと、私達の足音が大きく響いている。

「怪しい素振りどころやなかったな!」

「俺ァだいぶ不安になってきたぜオイ、始まったらもう進むしかねぇがよ」

「どこからか情報が漏れていたのだろうか…いやに一丸となってる気が…」

『向こうにそういうのを察知出来る"個性"が居る…とか、ですかね…?』

「いや、だったらもっとスマートに躱せる方法を取るはず。意思の統一は普段から言われてるんだろう」

私達は走りながらもそれぞれの考えを述べる。

「盃を交わせば親や兄貴分に忠義を尽くす。肩身が狭い分昔ながらの結束を重視してんだろうな」

「…」

「この騒ぎ…そして治崎や幹部が姿を見せてない。今頃地下で隠蔽や逃走の準備中だろうな」

相澤先生の言葉をそこまで聞いた切島くんが声を荒げた。

「忠義じゃねぇやそんなもん!子分に責任押し付けて逃げ出そうなんて漢らしくねぇ!!」

「んん!」

切島くんが声を荒げたタイミングで、ファットガムとサー・ナイトアイが足を止めた。

「ここだ」

そこには綺麗な生け花と掛け軸が飾ってあった。

「この下に隠し通路を開く仕掛けがある」

サー・ナイトアイは生け花をそっと退け、その下の板を何やら押しているようだ。

「この板敷きを決まった順番に押さえると開く」

「忍者屋敷かっての!ですね!」

「"見て"なきゃ気付かんな」

「まだ姿を見せてない"個性"に気を付けましょう」

『(凄いスムーズ…!)』

ヒーローの流れるような作業に感心していると、ガコッと大きな音がした。

隠し通路が開いたようだ。

同時に、奥から人影が現れた。

「なァァんじゃてめェ等ァァア!!」

隠し通路が開き、そこから出て来たのはヤクザが三人ほど。

「…!バブルガール!一人頼む!」

センチピーダーがその長い手を使って二人捕らえ、バブルガールが泡を使って残りの一人を目潰しした。

『無駄が無い…!凄い…!』

「追って来ないよう大人しくさせます!」

「目がー!」

「先行ってください、すぐ合流します!」

「疾ェ…!」

私と同じように切島くんも感心しているようだった。

「行くぞ!」

そんな私達に声が掛かり、再度私達は走り出した。
 
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