GO-ON!!

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《「一次選考の通過者は現在56名です、慌てず急いで頑張って下さーい」》

進捗状況を目良さんが放送席からアナウンスしてくれているので、"いつの間にか先着100人に到達していた!"なんてことは無さそうだ。

雄英の団体を抜けた私達は今、一列になって梯子を登っている。

順番で言えば先頭から爆豪くん、切島くん、私、そして上鳴くんという並びだ。

「上鳴、何で着いて来たんだ?」

ふと切島くんが、私の後ろに居る上鳴くんに声を掛ける。

「(ゆでの尻が近い…!俺の目の前に女子の尻が…!タイト目パンツが逆にエロい!ヤッベ、ちょっとゲンキになりそうだわ俺…!)」

『…上鳴くん?』

「ハッ…」

ちらりと後ろを振り返ると、上鳴くんは我に返ったようだった。

試験中に考え事とは余裕らしい。

「君達が走ってっちゃうからさぁ!寂しくて着いて来ちゃったのーっ!」

「うっぜーなァ!!」

「えぇ、何その言い方!?」

「やめろって爆豪!」

あははと笑っていると、ギャンギャンと騒ぐ爆豪くんを切島くんが口頭で宥めてくれた。

「上に何人も居たっぽいし、ここは四人で協力して…」

「しねェ!」

梯子を登り切り、私はパンパンと服についた砂を軽く払う。

「そう言うなって、…危ねェッ!!」

「『切島(くん)!?』」

切島くんが爆豪くんを押し退け、横から飛んで来た"何か"に捕らわれてしまう。

…サァッと血の気が引いた。

『切島くん!!』

「来んなバカ!」

追い掛けようとすると切島くんに一喝される。

それでも構わずに切島くんに手を伸ばすも、ふよふよと変わった動きをする"ソレ"に私は着いて行けず…

「クソッ…離れっ…うぅっ!」

切島くんは"ソレ"に完全に包み込まれてしまった。

そして今度は、"ソレ"から小さな肉の塊がぽとりと落ちる。

よく見ると、赤い髪やギザギザした歯等…

切島くんの身体のパーツらしきものが混じっていた。

たぶんあの肉塊は、切島くん本人だ。

気が付けば、辺りにも同じように肉塊が無数に散乱していた。

「な、何だありゃ!?どーなってんだ!?」

『どうなってるかは分かんないけど、要するに…』

「要するに、野郎の仕業ってことだろ!…ブッ殺す!!」

爆豪くんの視線の先を私も見据える。

そこには、先程試験会場の外で私を睨み付けた糸目男子が立っていた。
 
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