GO-ON!!

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ヒーロー名を考え始めてしばらく経った頃。

「じゃあそろそろできた人から発表してね!」

「(発表形式かよ!)」

「(こりゃなかなか度胸が…)」

みんなが踏み留まっている中、さも当然のように青山くんが教壇に立った。

そしてボードを構える。

「いくよ…輝きヒーロー I can not stop twinkling!キラキラが止められないよっ!☆」

「「『短文!!』」」

「ここはIを取って、can'tに省略した方が読みやすい!」

「それね!マドモアゼル☆」

「「『(良いのかよ!)』」」

ツッコミどころが多いが、本人が嬉しそうなのでとりあえずは良しとしておこう…。

「じゃあ次アタシねー!ヒーロー名、エイリアンクイーン!」

「2!血が強酸性のアレを目指してるの!?やめときな!」

「ちぇー」

大人しく席に戻っていく三奈ちゃん。

なんか青山くん、三奈ちゃんと続いて大喜利っぽい空気になってしまった。

「じゃあ次、私良いかしら?」

梅雨ちゃんが自信ありげに挙手をした。

「梅雨ちゃん!」

「小学生の頃から決めてたの!梅雨入りヒーロー FROPPY!」

「可愛い!親しみやすくて良いわ!みんなから愛されるお手本のようなネーミングね!」

固まっていた空気が溶けていくのを感じる。

ありがとうFROPPY、おかげで空気が変わったよ…!

「じゃあ俺も!剛健ヒーロー 烈怒頼雄斗!」

今度は切島くんが前に出た。

「"紅の狂騒"!これはアレね!?漢気ヒーロー"紅頼雄斗"リスペクトね!」

「そッス!だいぶ古いけど、俺の目指すヒーロー像は"紅"そのものなんス!」

嬉々として紅頼雄斗のことを語る切島くんに私は小さく笑った。

紅頼雄斗については、中学時代からもう何度聞かされたことか。

「フフ、憧れの名を背負うってからには、相当の重圧が付いて回るわよ!」

「覚悟の上ッス!」

ポーズ決める切島くんが男らしくて格好良い。

『(…って、だめだめ!)』

あんまり彼のことを考えるな私。

今は自分のヒーロー名を考えなきゃ。

「うあ〜、考えてねんだよなーまだ俺…」

「付けたげよっか!"ジャミングウェイ" 」

聞こえてきた二人の会話によると、響香ちゃんが上鳴くんのヒーロー名を考えてあげているようだ。

それに対して上鳴くんはインテリっぽくてカッコイイと答える。

「〜いやっ、せっかく強いのにブフッ!すぐ…ウェイってなるじゃん…!?」

ただ、響香ちゃんはアホになった時の上鳴くんをイジっていただけらしい。

ぷくくと笑いながら響香ちゃんは必死で笑うまいとしている。

「耳郎お前さァふざけんなよ!」

上鳴くんは恥ずかしそうにしているが、ペロッと悪戯っぽく舌を出して教壇に逃げる響香ちゃんに私は卒倒しそうだった。

『(何今の仕草、可愛過ぎるでしょ!)』

私は内心で身悶えた。
 
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