GO-ON!!

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「一年ステージ!生徒の入場だぁあ!!」

プレゼント・マイクの掛け声に合わせて、私達は入場する。

うわぁ広い…そして人の量も多い。

「わぁぁあ…人がすんごい…」

「大人数に見られる中で最大のパフォーマンスを発揮できるか…これもまたヒーローとしての素養を身に付ける一環なんだな」

"見られてる"という緊張から本来の実力を発揮出来ない人も多いから、気を引き締めていかないと。

「めっちゃ持ち上げられてんな〜…なんか緊張すんな!なァ爆豪!」

『え、爆豪くん意外と緊張するタイプ?』

「しねェよ、ただただアガるわ!」

そう言い切ってしまう彼はやはり肝が座っている。

男らしいとは正にこのことだ。

一年生徒達が全員入場し終えるのを確認すると、プロヒーローのミッドナイトが選手宣誓を促す。

「選手宣誓!」

「ミッドナイト先生、なんちゅう格好だ…!」

「さすが18禁ヒーロー!」

顔を赤らめる切島くんと上鳴くんが目に入る。

彼女を見て赤面するのは無理もないと思う。

ミッドナイトと同性の私でも赤面してしまう程の破壊力なのだ…彼女の戦闘服(コスチューム)は。

「18禁なのに高校に居てもいいものか…?」

「『イイ!!』」

峰田くんと私は常闇くんに親指を立てて言い切った。

だってあの戦闘服凄いよ、ボディラインくっきりし過ぎておっぱいの形とか凄い分かりやすいもん、なんていうか…

うん、スゴくスゴい。

頬を染めて盛り上がる男性陣に対し、ミッドナイトは鞭で地面を叩いた。

「静かにしなさい!選手代表、1-A、爆豪勝己!!」

「えぇ…!?かっちゃんなの!?」

『爆豪くん凄いね、流石だね!』

「アイツ一応、入試一位通過だったからなぁ!」

驚く緑谷くんと感動する私に、瀬呂くんが答えてくれる。

それに対して聞き慣れない声が聞こえた。

「ハァ…"ヒーロー科の入試"な」

わざとらしく溜め息をつき、更にわざとらしく"ヒーロー科の"と強調する女子生徒に、私は思わず唇を尖らせた。

『えぇ…何あれ〜…』

「おい…対抗心剥き出しだな…」

「それもこれも爆豪のせいだっつーの…」

瀬呂くんと上鳴くんが小声で言う。

「ゆでさん。あのようなあからさまな挑発に乗ってしまっては、相手方の思うツボですわ」

『ん…そだね、ありがとヤオモモ』

めちゃくちゃ言い返してやりたいけれど我慢する。

一々言い返して彼女等と同じ土俵に立つ必要は無い。

ポケットに手を突っ込んだままみんなの前に立つ爆豪くんに私は視線を戻した。

「…せんせー、俺が一位になる」

気怠そうな声が響き、辺りに一瞬の静寂が訪れた。

「「『(絶対やると思ったぁああああ!!)』」」

私達A組は心の中で叫んだ。

「ふざけんなー!」

「このヘドロ野郎!」

他のクラスからブーイングが飛び交う。

私もさっきは相手の挑発にイラッとしてしまったけれど、これじゃあこちらから相手を挑発しているようなもんだ。

あぁぁ…これは流石にフォローし切れないよ…。

「何故品位を貶めるようなことをするんだ!?」

『そ、そうだよ爆豪くんストップ!』

「せめて跳ねの良い踏み台になってくれ」

飯田くんと私のストップも聞かず、追い打ちをかけるように爆豪くんは彼等に対して、勢い良く親指を下に向ける。

「どんっだけ自信過剰だよ…!この俺が潰したるわ!!」

以前見掛けたB組の男子生徒がイライラしているのが分かる。

そりゃそうだ、私だってあんなことされたらイラッとしちゃうよ。

「さーて、それじゃあ早速始めましょう!雄英は所謂予選よ!毎年ここで多くの者がティアドリンク!」

サクサクと司会進行していくミッドナイトに、みんなは徐々に静かになる。

「さて運命の第一種目!今年は…これ!」

『障害物競争…!』

ミッドナイトが詳しく説明してくれるけど…

待って、外周4kmって長くない?

『(体力保つかなぁ〜…いや、もたせるけど)』

ミッドナイトによれば、外周4kmのコースを走り抜けるもの、とのこと。

コースを守れば何をしたって構わないそうだ。

「さぁさぁ!位置に着きまくりなさい!」

どんな障害が来るかは分からないけれど、私だってたくさん特訓して来たんだ。

大丈夫、やれる。

私達はゲートへと向かった。
 
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