GO-ON!!

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「恰好から入るってのも大切なことだぜ少年少女!自覚するのだ!今日から自分は、ヒーローなんだと!!」

グラウンドに集まった私達はオールマイトの前に立つ。

「さあ!始めようか有精卵共!!」

「あ、デクくん!?カッコイイね、地に足ついた感じ!」

緑谷くんの存在に気付いたお茶子ちゃんが彼の方へ駆け寄り、何やら楽しそうに話をしている。

本当だ、女性陣に負けず劣らず男性陣もカッコイイ。

「要望ちゃんと書けば良かったよ…パツパツスーツんなったぁ…恥ずかしい…」

そう言いながら恥じらいを見せるお茶子ちゃん。

それを隣で見ていた峰田くんと私は顔を見合わせる。

「『ヒーロー科最高…!』」

そして峰田くんと共にグッと親指を立てた。

"なんだゆでもコッチ側の人間か!"とかなんとか言われたけど、聞こえなかったことにしておこう。

「たまご!」

後ろから声を掛けられる。

見なくても分かる、この馴染みのある声は切島くんだ。

『なぁに切島く…うわっ!?

振り返り切島くんの姿を見た私は思わず声を上げた。

だって、だって…

『切島くん、半裸じゃん…!!

慌てて目を逸らすも、切島くんは特に気にしていないようだ。

「うわって何だよ!男らしくて良いだろ!?」

『いや男らしいのは間違いないけど…!』

「つか、お前一緒に考えただろーが!」

切島くんはこちらに身を乗り出してくるが、私は顔を背ける。

…切島くんの身体、あんなにゴツかったっけ。

いや、前から鍛えてたのは知ってるし、この春休みも一緒にトレーニングはしてきたけどさぁ…

『(更に身体、ゴツくなったような…?)』

「おいたまごー、そんなあからさまに目ぇ逸らさなくてもいいだろー?」

『あは、なんか反射的に…ごめん』

苦笑しながら視線をゆっくりと戻す。

「男らしくてカッケェと思うんだけどなー…」

『ごめんごめん!ちゃんと格好良いって!』

むー、と少しむくれる切島くん。

私が軽く謝りながら彼の肩を数回叩くと、彼は少し満足げにしていた。

『("一緒に考えただろーが"って言われたけど、全然一緒に考えた記憶が無い…)』

私は、春休みのとある一日のことを思い出した。
 
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