ヒロアカ

□私のパンツがありません!
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ここはとあるBar…を装った敵連合アジト内。

私を含めたメンバー数人で、テーブルを囲んで座っていた。

『みんな…今日は集まってくれてありがとう』

神妙な顔付きをした私が静かに開口すると、それに最初に反応したのは荼毘だった。

「何だよ改まって」

『実は、みんなに相談がありまして…』

「どうした、相談なんて珍しいな?しょっちゅうじゃねぇか!」

仁くんがいつも通りごちゃごちゃ言っている。

これに関しては気にしないでおこう。

『いや、ほんと大したことじゃないんだけどね…?でも困ってるから、聞いてもらってもいいかな?』

「勿体ぶるなぁ…俺はそれよりたまごと風呂に入りたい

知らん入らん

真顔でそう言ったのは弔くんだ。

ぴしゃりと私が言い切ると、彼は小さく舌打ちをした。

「フフ、弔くんフラレちゃいましたね…♪」

「うるさい」

そう言って、弔くんをいじるのはトガちゃん。

彼女は私の隣でナイフを研いでいる。

「たまごちゃんとお風呂に入るのは…このトガです!

入んないよトガちゃん

私がそう言うと、トガちゃんは不貞腐れたように唇を尖らせた。

私だって可愛い女の子とお風呂に入れるのは凄く嬉しい。

でも、まだ死にたくない。

以前一緒にお風呂に入る流れになった時、



"たまごちゃん、色白で素敵です…カァイイ…"

"血出てた方がもっと綺麗だよ…!"



って切り刻まれそうになったから。

丸腰で彼女と居るのは危険なのだ。

いや、その話はとりあえず置いておこう。

『そ、それでね。実は…』

「「「…」」」

私は大きく息を吸い込んだ。

『昨日の夜ベランダに干してた、私の…パ、パンツが失くなってたの!』

「「「…」」」

声を大にしてそう言うと、一瞬の静寂の後…

「「「パンツ!!?」」」

みんなが口を揃えて聞き返してきた。

『うぅぅ…!恥ずかしくて死にそう…恥ずか死する…っ』

だからみんなに言うか言うまいか迷ったんだ。

私は自分の顔や耳に熱が篭もるのを感じた。

「待て、その顔すげぇ好きだ」

それは聞いてない

荼毘はちゃんと人の話聞いてたんだろうか?

「まさか…盗まれたんですか…!?」

トガちゃんの肩がワナワナと震えている。

『いつも通り干してただけだから、そこまで気にしなくても大丈夫かなって思ってたんだけど…起きてベランダに出ると失くなってて…』

「それヤバくねぇか!?至って正常です!」

『やっぱりヤバいよね…私のパンツなんて盗む価値ないのに…ハァ…』

私が肩を落とすと、いや、と声が上がった。

「盗む価値はある!ねぇよ!」

「世の中には物好きも居るってこった」

「お前は魅力的だ…お前のパンツがほしい男は山ほど居る!」

「女も居ます!…ここに!!」

そうだ。

テンパってすっかり頭から抜けていたけれど…

この人達、変態だったわ。
 
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