ヒロアカ

□愛してるゲーム
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【緑谷出久の場合】



『ねぇねぇ、"愛してるゲーム"って知ってる?』

唐突に緑谷くんにそんな話を振ってみる。

すると彼は…

「あ、あぁあ、愛っ…!?な、何それっ!?どうしたのゆでさん!?」

思っていた以上に顔を赤くさせていた。

これから"愛してるゲーム"をしようと誘うつもりだったのに、聞いただけでこうなってしまっては…勝負以前の問題だ。

『片方が"愛してる"、もう片方が"もう一回"って言い合って、笑ったり照れた方が負けってゲームなんだけど…』

「う…うん…?」

『やってみよう、緑谷くん!』

彼の目の前に座り、じっと正面から彼を見つめる。

「えぇええっ!?おっ、ぼ、僕にはハードルが高いっていうか、あの、その…!」

『だめ?』

「ちがっ、だめとか…そ、そんなんじゃなくてっ!」

『じゃあ良い?』

「僕なんかとやっても楽しくないよ絶対!!」

緑谷くんは恥ずかしさのあまり、両腕で顔を隠してしまっている。

こんな状態の緑谷くんに勝負を挑むなんて酷い話だ、なんて自分でも思う。

『大丈夫だよ、緑谷くん』

「へっ…?」

少し落ち着いた声のトーンで言うと、緑谷くんは腕の隙間からこちらをちらりと見上げてくる。

あ、もう今言っちゃおう。

『愛してる』

「…!!」

その後緑谷くんは卒倒したまま、しばらく動かなくなってしまった。



(み、緑谷くーん!?)
(心臓破裂して死にそうっ…!)
 
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