ヒロアカ

□オトナの味のちょこれいと
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「あっははは!」

『その時の青山くんめちゃくちゃ面白くてさ〜!』

響香ちゃんとのお喋りが楽しくて、二人して盛り上がっていると。



バッターン!



「「『!?』」」

何かが倒れたような、大きな物音がした。

ソファから身を乗り出して物音のした方を見てみる。

するとそこには…

「轟くん!!」

轟くんが倒れていた。

飯田くんが、倒れた轟くんの上体を抱えている。

『だ、大丈夫!?』

「どうしたどうしたー!?」

みんなで轟くんの傍に駆け寄り、顔を覗き込む。

「…」

いつもの切れ長でシャープな彼の目は、今はとろんとしているようだ。

焦点が合っていないのか、ぼんやりと天井を眺めている。

「何かあったの?」

三奈ちゃんが飯田くんに声を掛ける。

「わ、分からないんだ!八百万くんに貰ったチョコレートを食べて、しばらく俺と話していたら突然…!」

「わ、私…何か取り返しのつかないことを…!?」

『大丈夫だよ、ヤオモモ』

私は顔面蒼白状態のヤオモモの背中を一撫した。

『とりあえず先生を「いや、良い」』

私の声に被せるようにして、轟くんが声を上げた。

同時にガシッと手首を掴まれる。

『ん?…轟くん?』

「…」

反応に困っていると、轟くんは焦点が定まらないまま、私の手首をグイッと引いた。

『うわぁっ…!?』

手首を引っ張られた私は、轟くんの胸元に倒れ込む。

そして間入れずに…

「「『!?』」」

ぶっちゅう!と勢い良くキスをされた。

私はもちろん、クラスメイトのみんなも目を見開いて驚いている。

『んっ…んんん!?』

「…」

顔を離そうとするも、いつの間にか後頭部と腰に腕を回されており離れることが出来ない。

勢い良く倒れ込んだせいで、私が轟くんを押し倒しているような体勢だ。

『(なんでキス!?なんでキスぅ!?ていうかみんな見てるし…!)』

クラスメイトの視線が恥ずかしくて、頭の中でぐるぐると色んなことを考えていると。

『!…っん…ふぁ、…』

「ふ…ン…」

なんと、轟くんが舌を絡めてきたのだ。

ぐち、ぬちゅ、と、水気のある音が辺りに響く。

「うぉお、こりゃあ結構奥まで突っ込んでんなぁ…!」

「轟ってそういうこと興味無さそうなのに、意外と攻めんのな〜?」

「冷静に見てる場合じゃないよっ!?」

緑谷くんが、上鳴くんと瀬呂くんにツッコんでいるのが聞こえてくる。

そうだよ冷静に見てる場合じゃないよ、助けて欲しい。

『…、』

トントンと轟くんの胸元を数回叩くと、彼は銀の糸を引きながらもゆっくりと顔を離してくれた。

轟くんの頬は紅潮しており、目もとろんとしたままで。

『(なんか…セクシーだな…!)』

そこまで考えて、私は慌てて轟くんから顔を背けた。
 
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