ヒロアカ

□ポッキーの日
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「「ポッキーの日だぁああ!」」

三奈ちゃんと透ちゃんの声が寮内に響いた。

「みんな、ポッキー持って来た!?」

「えぇ!」

「もちろん!」

『持って来た!』

私達1-Aガールズはそれぞれポッキーを持ち寄り、みんなで食べ比べをしようとしているところだった。

以前、"もうすぐポッキーの日だね"という話をしていると、ヤオモモがその存在自体を知らなかったため、こうしてみんなでポッキーパーティーをすることになったのだ。

「これがポッキー…!」

テーブルの上に並ぶ様々なポッキーの箱を見て、ヤオモモは感動している。

あぁ可愛い。

『わぁ、みんな種類違うね〜!』

「ホントだ、個性出てて面白いかも」

テーブルには、スタンダードな物から少しマイナーな物まで、いくつものポッキーが置いてある。

「んじゃまぁ早速!」

三奈ちゃんの声に続いて私達は箱に手を伸ばす。

私達は早速、ポッキーの箱を開けた。

そして誰からともなく、ポッキーを食べ始める。

「んん〜!美味しい!」

『ポッキー久し振りに食べた!』

「あまぁい…♪」

ポリポリと歯切れのいい音があちらこちらから聞こえてくる。

「たまごちゃんのそれ、美味しそう!」

『美味しいよ、食べる?』

「食べるー!あーん!」

『あーん…♪』

透ちゃんの声がした方にポッキーを差し出すと、徐々にポッキーが無くなっていく。

「たまごちゃん、私も良いかな…!?」

『良いよお茶子ちゃん、あーん♪』

「あーん!」

「アタシもアタシもー!」

お茶子ちゃんに続いて三奈ちゃんが身を乗り出してくる。

この子達絶対ポッキーより"あーん"を楽しんでるな。

可愛いから良いんだけどね。

私達の隣では響香ちゃんと梅雨ちゃんがポッキーを交換していた。

「…」

そこで、ふとヤオモモの姿が目に入る。

『…ヤオモモ、ポッキー食べないの?』

ポッキーの箱を開封したまま、ぼーっとしていたヤオモモに気付いた私は声を掛けた。

するとヤオモモはハッとして、恥ずかしそうに口を開いた。

「い、いえ…なんだか新鮮で、嬉しくて。皆さん、このような場を設けてくださりありがとうございます…!」

「「『…!』」」

照れたように笑うヤオモモを見て、胸がキュンとした。

『…ヤオモモー!!あーんしてあげる!』

「へっ!?そ、そんな」

『あーん!』

「あ…あーん…」

有無を言わさずヤオモモの口元にポッキーを持って行くと、小さな口でポリポリと食べてくれた。

「!…美味しいですわ!」

「次アタシがやったげるー!ヤオモモ、あーん!」

「あ、あーん…」

「私も!あーん♪」

「あーん…!」

みんなでヤオモモを取り囲んでいると、ガチャッと扉の開く音が聞こえた。
 
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