ヒロアカ

□君と微睡む昼下がり
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「しっ、ししし失礼しますっ…!」

自分のベッドだというのに、カチコチになってしまった出久くん。

そんな出久くんが遠慮がちにベッドに入ってくる様子を私はじーっと眺めていた。

『…』

「…」

同じベッドに居るものの、出久くんは私から少し距離を置いて横になる。

私が壁側に居るので、出久くんはベッドの端ギリギリの所に居る状態だ。

「(近い近い近い…ッ)」

『出久くん、そんなギリギリだと落ちちゃうよ?』

「だ、大丈夫だよ、気にしないで!」

『…もっとこっち来て?』

「………はいぃ…」

軽く出久くんの服の裾を引っ張ると、彼は遠慮がちにこちらに寄ってきた。

自分のすぐ目の前には出久くんの鎖骨が見える。

出久くんは顔だけじゃなく、耳や首元まで真っ赤になっていた。

『そんなに恥ずかしがられると、なんか私まで恥ずかしくなってくるよ…』

私は赤くなった顔を隠すために出久くんの胸元に顔を埋め、ぎゅうっと抱き着いてみた。

ドクドクと激しい、彼の心臓の音が聞こえてくる。

「〜〜〜っ…」

頭上の方で出久くんが何やら悶えているのが分かる。

これ以上密着するのはなんだか可哀想になってきた…

それくらい出久くんの顔は真っ赤だし身体は熱い。

「あのねたまごちゃん…!僕も一応男っていうか…そんなにくっつかれると…その、理性が…いや、暴走はさせないけど、しそうっていうか…!」

いつにも増してたどたどしく喋る出久くんに、私は少し身体を離した。

『…出久くんは優しいね』

「いやいや僕なんて全然っ…!」

『好き…』

小さくそう呟くと、彼は更に赤く…ならなかった。

代わりに、真剣な顔をして私の方を見ている…あれ、思ってた反応と違うぞ。

「僕も…君が好きだよ、たまごちゃん」

ドキッと自分の心臓が音を立てて跳ねる。

真っ直ぐな目でそう言い切ってくれる出久くんが、いつもよりも格好良く見えた。

『出久くん、ずるい…』

「えっ!?ななななんで…!?」

今度はいつものように慌て始める彼を見て、私は苦笑した。

そしてそのままゆっくりと目を閉じる。

『何でもない〜…そろそろほんとに眠くなってきた…』

「寝て良いよ、しばらくしたら僕が起こすから…」

『ん…出久くんも、一緒に…』

「うん…おやすみ、たまごちゃん」

頭を撫でられる感覚があまりにも優しくて。

私はすぐに深い眠りについた。



君と微睡む昼下がり
(たまごちゃん寝てるし…手くらい、握っても良いよね?)

***あとがき

童貞臭漂う緑谷が可愛くて大好きです←
書いててとても楽しい♪

とこたん。
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