ヒロアカ

□君と微睡む昼下がり
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ある祝日の昼下がり。

コンコンと扉をノックする音が辺りに響いた。

「は、はいっ!?」

『出久くん、入るよ〜』

ガチャリと扉を開けて出久くんの部屋に入ると、出久くんは驚いたような顔をしていた。

「どうしたの?たまごちゃん」

『ん〜、眠くて…』

「そっか…あ、嫌じゃなかったらベッド使って!」

そう言ってベッドを軽く整えてくれる出久くんの言葉に甘え、私はベッドに寝転んだ。

『う〜ん…いいにおい、すぐ寝ちゃいそう…』

「ちょっ…においとか言わないで、恥ずかしいよっ…!」

顔を真っ赤にする出久くんの言葉を聞き流しながら、私は出久くんの布団に顔を埋めた。

『(出久くんのにおいだ…)』

ふんわりと香る優しいにおいに、段々と瞼が重くなってくる。

私はそのままゆっくりと瞼を閉じた。

「たまごちゃん…寝た?」

『………んーん…』

「…」

『…』

「たまごちゃん?」

『ん…』

「…」

『…』

特に用事は無かったのだろうか、出久くんは黙り込んだ。

それでも席を外した訳ではないようで、すぐ近くに気配と視線を感じる。

「…お疲れ様…」

ぎこちなく私の頭に手が乗せられたかと思えば、そのままゆっくりと頭を撫でられた。

その手から緑谷くんの優しさを感じて思わず頬が緩む。

『…へへ』

「な、なんで笑うの…!?」

『出久くん、優しいなぁって』

閉じていた目を開き出久くんを見てそう言うと、彼は更に顔を赤くした。

いつも思うのだけれど、出久くんってどこまで赤くなるんだろう。

今でさえ結構顔赤いと思うけど…。

『出久くん…』

「うん?なぁに、たまごちゃん」

優しい眼差しで見つめられる中、私は彼の手首を掴んで私の頭からゆっくりと引き離した。

「あ、嫌だった…?」

頭を撫でられるのが嫌だったと捉えた出久くんは、眉尻を下げて悲しそうな顔をする。

「嫌だったならごめ…」

『うぅん、違うよ』

「へっ…?」

私はベッドの端に寄り、出久くんに向かって大きく両腕を広げた。

『一緒に寝よう?』
 
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