ヒロアカ

□milk vetch
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そしてしばらくそのままの状態で居ると、勝己くんは寝息を立て始めた。

抱き合った状態で寝るなんて、どれだけ疲れていたんだろう…。

『(それより…お、重いっ…!)』

力が抜けた勝己くんの全体重が私に乗し掛かり、耐え切れずに私はベットに背中を預ける。

これなら少し楽だ。

勝己くんに押し潰される形になっているので、苦しいことには変わりないけれど。

『…』

ふと、彼の肩に顎を乗せてみる。

中学時代から凄かったけれど、勝己くんの身体付きは高校に入ってから余計にゴツくなったと思う。

『毎日頑張ってるんだなぁ…』

雄英に行くくらいだ…それだけでも相当凄いけれど、勝己くんは手を抜くと言うことを知らないから。

きっと毎日自分を追い込んでいるのだろう。

この身体は彼の努力の証だ。

『…』

硬そうに見えて、意外とふわふわの彼の髪に指を通す。

薄い金色の髪が綺麗だ。

そしてトントンと優しく彼の背中を叩いていると、いつの間にか私は眠ってしまっていた。



***



『………ん…?』

首元になんだかくすぐったさを感じ、ゆっくりと目を開ける。

いつの間にか寝てしまっていたようだ。

というか、おかしい。

勝己くんとベットに挟まれて座ったままの体勢だったはずなのに、目線の先には天井が見える。

そして…

「…起きたんか」

『勝己く…、んっ』

私の上に身体を重ねていた勝己くんと目が合ったかと思えば、口付けをされた。

それはゆっくりと深く激しくなっていく。

「…ん…」

『ふぅ………ん、…』

やがて息が苦しくなり、勝己くんの胸を軽く叩く。

するとゆっくりと勝己くんの顔が離れていった。

かと思えば私が目を覚ました時と同じように、勝己くんは私の首元に顔を埋めた。

すり、と小さく頬を寄せてくる勝己くんに愛しさが込み上げてくる。

『…なんか今日、甘えん坊だね』

「あ?うるせェ」

勝己くんがいつもの調子に戻ったようで安心した。

…のも束の間、首元にチリッと痛みを感じる。

『いっ…!』

「…」

今度は別の所にまた同じ痛みが走る。

『…、』

勝己くんは甘えてくる時、たまにこうして愛咬することがある。

そして私に紅い痕を残すのだ。

『…』

私は痛みに耐えつつ、勝己くんの頭を撫でた。

 

milk vetch
(お前が居るから、俺は何度でも立ち上がれる)

***あとがき

かつて、こんなに泣き顔や悔し顔が似合う男子高校生が居ただろうか?

いいや、居るはずがない(反語表現)

とこたん。
  
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