ヒロアカ

□性感帯アレコレ
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味見ってどういうこと、なんて言う間もなく、切島くんは私の首元に顔を埋めた。

そしてそのまま、すんすんとにおいを嗅がれる。

「…」

『ひぃ…』

お風呂上がりの切島くんの髪が、サラッと私の首に触れてくすぐったい。

そんな状態のままひとしきりにおいを嗅ぎまくられ、私は恥ずかしくて身を捩った。

『も、もういいでしょ…?』

「…」

半泣きになりながらそう言うと、切島くんは私の首元から一旦離れ…

「良かねーな!」

いつもの笑顔でそう言った。

『(それはこっちのセリフなんですけど…!)』

何と言おうかと悩んでいると、今度は私の耳元に切島くんが顔を寄せた。

「…」

『ひん!』

すん、と切島くんの息が聞こえると、自分の口から情けない声が漏れた。

口を抑えようにも、切島くんに両手首を掴まれており動くことはできない。

「…たまご…?」

『んんっ…』

いつもより低く掠れた切島くんの声が、私のすぐ耳元で聞こえる。

「耳…気持ち良いのか…?」

『や…!そこで…喋んないでよぉ…』

なにこれ、ゾクゾクする。

鳥肌も止まんない。

「…んな気持ち良さそうな顔で言われてもなァ」

『…っ』

「たまごのンな顔見て、やめられるわけねーだろ?」

私の耳元に唇を近付けて話す切島くん。

彼が話す度に耳に吐息がかかる。

『(絶対わざとだ…!わざとやってる…!)』

「…耳赤ェ…かわい…」

『んんっ!』

切島くんが何やらぽつりと呟いたかと思えば、ガプッ!と音がした。

耳を噛まれたのだ。

「…」

噛まれたと言っても、すごくソフトだ。

甘噛みと言うのだろうか、力を入れないようにしてくれているのが分かる。

『…、…っ!』

私は変な声が出そうになるのを必死に耐えた。

「…」

耳たぶの方から、軟骨の方へ。

ゆっくりゆっくり堪能されたかと思えば、次に…

「ん…」

『やぁっ…』

耳たぶを唇ではむはむと柔らかく喰(は)まれる感覚。

『ん…んん〜っ…!』

「やーらけぇ…思ってた通りだぜ、たまご…!」

そう言う切島くんはなんだか少し嬉しそうにも見える。

すると今度は…

「ん…」

切島くんの舌が、耳たぶを這う感覚がした。

『!…んっ…』

そのまま、耳たぶ、軟骨、外側から内側へと舌が何度も往復する。

『ゃ…それ…やめっ…』

「ん〜?」

『あぅ…ぁ…っ』

もう完全に声を抑えることが出来なくなっていた。

身体がゾクゾクして、なのに頭がふわふわして、気持ち良くて気持ち良くて、頭の中が切島くんのことでいっぱいになっていた。
 
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