Resonance
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『ふぅ、ちょっと休憩!』
私は小さなベンチに腰掛け、購入した物をその隣に置いた。
武器屋や道具屋でそれぞれ必要な物をチェックして、みんなの食料品も購入しておいた。
まぁ食料品って言っても、調理器具も無いから本当に簡素な物しかないんだけど…。
「この調子だと、明日にはナーオスに着きそうだな!」
『そうだね。道中いろいろあったけど、ここまで無事で来れて良かったぁ』
そんな話をしながら、スパーダも隣に座る。
『あ、そう言えば西の戦場でのことなんだけどね』
「あ〜?」
『あの人…リカルドって言ったっけ?彼が姿を現す前、スパーダ…実弾を剣で弾いてたでしょ?』
「あぁ、まァな」
返事は素っ気無いけれど、スパーダの表情を見ると得意気にしている。
私はそんなスパーダを見て…
『あれ、すっごい格好良かった!!』
素直な気持ちをぶつけた。
「!…だろォ!?」
スパーダはそれを聞いて、ぱぁっと顔を明るくさせた。
『その後、リカルドの所に突っ込んで行ったのは怖くてハラハラしたけど…結局どこに隠れてたのか見破ってたもんね。ほんとにヒーローみたいだった!』
「見せモンじゃねーけどよ。オレくらいになりゃ、あぁいうことだって出来るんだぜ!」
『間近で見ててびっくりしたよ。きっといっぱい鍛錬したんでしょ?』
「"いっぱい"なんて生ぬるいもんじゃねーぜ?ま、ウチはガキの頃から…、」
そこまで言い掛けて、スパーダはハッとする。
「っと。オレの話はいいんだよ!」
『えぇ〜なんで?あのベルフォルマ家だし、物凄い鍛錬してきたんじゃない?』
「いーんだって。それよりタマゴ、お前だよ!」
『え、私?』
スパーダは家の話をするのが嫌なのかな?
強制的に会話を終了させられてしまった。
そして私は、こちらを指差すスパーダにきょとんとする。
「あ〜、あの…何つったっけ?槍持った変態に、胸触られてただろ!」
『うげっ、思い出しちゃった…忘れてって言ったじゃん〜…!』
思い出すのはハスタの奇行。
あ、鳥肌立ってきた…。
「仕方無ェだろ!タマゴの胸に触れやがったんだぜ!?羨まし過ぎる!!」
『ん?ちょっとスパーダ?』
「オレだってそこには触れたこともねェのにあの野郎、初対面のくせに遠慮無しで…!あぁ〜思い出したらイライラしてきた!」
『だから忘れてくれと…』
スパーダは頭を抱えている。
私はそんなスパーダに苦笑した。