Resonance

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『よし、いい感じに出来たかな』

買い込んできた食料を調理して出来るだけ綺麗に盛り付ける。

相手が誰だとかどんな人だとか、よく分かんないけれど、"助けなきゃ"と思った。

女の子と動物を、冷たく見放すわけにはいかない。

「いいにおい するんだぞ しかし!」

『あ、コーダ。お留守番ありがとね!これ食べる?』

「食べる!!…って何だコレ?」

調理で余ったパンと、カップに入れたチーズソースをコーダに差し出すと、彼は首を傾げた。

『これはね、こうやって…パンをチーズにディップして食べるんだよ』

「美味そうなんだぞ しかし!!」

私の手本通りにパンを食べ進めるコーダ。

なんだか可愛い。

『ふふ…コーダは可愛いねぇ』

そっと頭を撫でるが、食べることに夢中なコーダは特にそれを気にしていないようだった。

『あ、そろそろ彼女の様子見に行かないと…』

そう呟いて寝室に向かおうとしたその時。

ちょっと!!

『うぇっ!?』

背後の扉がバンッと勢い良く開き、私は肩をビクつかせた。

振り返ると、そこには二丁の拳銃をこちらに向ける彼女が立っていた。

「あ、アンタ何者よ!ここはどこなの!?」

『え、えぇと…ここは王都レグヌム、んでもって私の家で…!』

「なんでアタシ見知らぬ女の家のベッドに寝かされてたワケ!?あ、アンタもしかして…へ、変なことしてないでしょうね!?」

『してないしてない!とにかく落ち着い…』

「これが落ち着いていられるもんですか!」

彼女は何やら焦っているように見えた。

警戒心を剥き出しにして私に拳銃を向ける彼女。

そんな彼女に、どうしたものかと考えていると。

「おいオマエ、コーダ コレ 気に入ったぞ しかし!」

「コーダ!?…ってアンタ!なぁに餌付けされてんのよ!」

「なんだイリア、起きたのか しかし」

「"なんだ"じゃないってのよ!!」

イリアと呼ばれた女の子はコーダに向かって怒鳴った。

するとその反動でか、彼女はふらっとよろけてその場に座り込む。

私は迷わず彼女に駆け寄り、身体を支えた。

『寝起きに怒鳴るからだよ、まだ休んでいないと…』

「っ…アンタには関係ないでしょ…!」

まだ混乱しているのか、彼女は拳銃を持った手で私の身体を押し返した。

下手したら撃たれかねない、けど…

『…大丈夫、私は敵じゃないよ』

私は彼女を落ち着かせるために、その身体をぎゅうっと抱き締めた。

「な…」

『大丈夫、私は敵じゃない…』

ゆっくり丁寧に彼女に言い聞かせると、強張っていた彼女の身体から力が抜けていくのを感じた。

『…ベッドに戻る?もう少し休んだ方がいいと思うんだけど』

「…ぃた」

『ん…?』

抱き締めていた彼女から身体を離して、顔を覗き込む。

そこで初めて、彼女の綺麗な真紅の瞳と目が合った。

「…お腹空いた…」
 
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