テイルズ・イナイレ
□微熱
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『…"37.5℃"…』
体温計に表示された数字を口に出し、ハァと溜め息をついた。
微熱だ。
昨日からなんとなく身体がだるくて頭痛の症状があった。
今朝起きてもその症状が続いていたので、体温を測ってみるとこれだ。
『どうしようかな…』
今日は大きく街を移動するとか、そういう話は出てなかったはず。
精々、聞き込み調査くらいだろう。
『…』
みんなに事情を話して休ませてもらおうとも考えたが、結局私はみんなと行動することにした。
だってみんなが頑張って働いてる間、自分だけ寝るなんて嫌だしね。
ただの微熱だし、何よりまだ動けるし!
『よし…』
私は身支度を整えるべく、洗面所へと向かった。
***
みんなと合流して朝食を食べながら、イリアの本日の予定を聞く。
「…ってことだから、今日は二人一組で行動するわよ!」
『…』
みんなの前でハキハキと話すイリアを見てぼーっとしていると、彼女と目が合った。
「ちょっとたまご?聞いてる?」
『あぁ…ごめんごめん、まだ少し眠くて』
「気持ちは分かるけどシャキッとしてよね!」
『はぁい』
プリプリと怒るイリアがなんだか可愛らしくて私は小さく笑った。
「今日もペア割りはコイントスでいいだろ!」
スパーダがいつものようにコイントスでペアを決めている。
私はコーヒーを飲みながら、その様子を眺めていた。
「…で、オレとルカ。残ったのは…コンウェイとたまごだな!」
スパーダの声に、みんなが了解と声を上げる。
「たまごさん、今日はよろしくね」
『ん…よろしくね』
コンウェイは私の隣までやって来てわざわざ声を掛けてくれた。
「あれ、まだ眠いの?」
『うん…ちょっとね。でもコーヒーも飲んだし、もうじき冴えてくると思うから』
「そう?」
首を傾げるコンウェイに、私は軽く頷いた。