テイルズ・イナイレ
□愛のしるし
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たまごはコーダと共にお菓子を頬張っている。
「はぁ〜可愛い。天上界ってここにあったんだな…」
「真顔でバカなこと言うのやめて」
なんて言いながらも、イリアは笑いを堪えているようだ。
イリアは笑ってるけど、見てるだけで癒やされるなんてマジもんの女神だぜ。
「ほんっと、親バカならぬたまごバカねぇ」
「褒め言葉だっつの!」
いちいちバカにされるが、たまごに関することならそれは全部褒め言葉だ。
「惚気けるのもいいけど…アタシなんてたまごの可愛いところ、もーっと知ってるんだから!」
「…ほぅ?」
イリアはニヤリと口角を釣り上げた。
「たまごの彼氏様たるこのオレより、可愛いところを知ってるってか?」
「えぇ、そうよ」
「面白ェじゃねーか、言ってみろよ」
オレはイリアに話の続きを促した。
「これは…一週間くらい前の出来事よ」
イリアは静かに話し始めた。
「宿泊先のホテルでたまごと相部屋だったの。夕食も済ませてみんなと解散してから、たまごと私の部屋に二人で戻ったのよ」
「あァ」
「そこでね、たまごがホテルの館内マップを見て言ったの。"このホテル、大浴場あるんだ〜!"って」
「!」
そこまで聞いて、オレはピンと来る。
これは…たまごの裸にまつわる話だ!
最高かよ!!
「んで!?」
「息荒げないでよ気持ち悪いってば!…んで、そんな話聞いたらもう行くしかないじゃない?そこで、アンジュも誘って三人で大浴場へ行ったのよ」
脳内にはキャッキャウフフと戯れ合う三人の姿。
いやー、なんかオレ、やばいかも。
「そこでね、見ちゃったのよ…」
「な、何をだ…!?」
ゴクリと唾を飲み込み、オレはその先を促した。
「たまごの、身体…
…につけられた、アンタの痕よ!!」
「あ…あァ〜〜〜…!…ハハ…」
オレは頭を掻いた。
そう来たか。
「ま、まァその…アレだ、前夜のたまごが可愛くてだな…つい、つけ過ぎちまってよォ」
「そこまで聞いてないわよ」
イリアはぴしゃりと言い切った。
「その痕を見たアンジュとアタシでね、ちょーっとだけたまごをイジm…からかっちゃったのよ」
今イジメたって言い掛けたぞコイツ。
たまご、大丈夫だったのか…?
絶対ロクなことになってねェと思うんだが。