テイルズ・イナイレ
□愛のしるし
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***スパーダ視点
「…なぁイリア」
「なによ?珍しく真剣な顔して」
オレはぼんやりと前方を見つめたまま、自分の隣に立つイリアに声を掛けた。
「たまごって可愛いよなァ…」
オレの視線の先には、コーダと戯れ合っているたまごが居た。
「今更何よ、気持ち悪いわね…」
「ひっでぇ」
いや…でもよ、マジで可愛いんだ。
"可愛い"しか出てこねぇ。
「…そんで?」
「あ〜?」
イリアは溜め息をつきながらこちらを見遣る。
「少しは聞いてあげるって言ってんのよ、たまごの話」
いつものような無駄話なら、イリアは素っ気無く終わらせてしまいそうなものだが…
話題がたまごに関してだからだろうか?
イリアはこの場に留まっている。
コイツもたまごのこと相当好きだからなァ。
ま、オレの方が好きだけど。
「何だろうな、アイツの行動一つ一つが可愛い。媚び売ってる感じでもねェのにな」
「あ、それすっごい分かる。たまごって媚びてる感じ全く無いわよね。たまごのそういうとこ好きなのよね〜」
「あぁ、可愛いよな」
「その語彙力どうにかなんないの?」
たまごは、オレの持ちうる語彙力なんてふっ飛ばしちまうくらい可愛いんだ。
仕方無ェ。
語彙力がたまごに追い付いてねぇんだ。
「あと笑顔が最高に可愛い」
「そうね、あの子の笑顔はアタシが守らなきゃって常々思ってるわ!」
「男前かよ」
イリアは"当たり前のこと言っただけよ!"と鼻を高くしていた。