Best Friends

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『ほんでさぁ!謙也がな、"参考までに言うけど俺が好きな食べ物は青汁とおでんのすじ肉〜"とか言い出すねんで!?』

「にゃはははは!お菓子要素何もないじゃん!」

『せやねんほんまに!』

私は今絶賛電話中や。

もちろん相手は、青学の菊。

ちなみに愚痴を言うために私から電話したわけやないで。

寝る前にのんびりしとったら、菊から"自分のくせ毛について"悩み相談の電話がかかってきたんや。

私の"常に髪を濡らしておけ"という的確なアドバイスによって、その悩み相談は10秒ほどで終了。

あまりにも呆気なかったので、私からも悩み相談を持ち掛けたっちゅー話や。

「まぁたまごちゃんのくれるものなら何でもほしい!って感じじゃない?」

『え〜そうなんかな…』

私の悩み相談っちゅーのは、この前謙也に頼まれたお菓子作りについて。

"何のお菓子を作ろうか"で悩んどるんや。

なんかバレンタイン前の恋する乙女みたいやな。

季節全然ちゃうけど

「どんなお菓子が好きなのか分かんないの〜?」

『それが…何も分からんのや

「ほぇ〜…キリないじゃん…」

『せやから迷うとるんやんかぁ〜…』

電話の向こうで、んんー…と唸る声が聞こえる。

『とりあえず万人受けするやつがえぇなぁ思てんねんけど』

「じゃあやっぱりメジャーなのは、クッキーとか生チョコとかかな〜?」

『菊は女の子からお菓子貰えるとしたら、どんなんほしいん?』

「そだねー、俺は貰った物なら何でも嬉しいにゃあ」

電話の向こうでエヘヘッと照れ笑いをする声が聞こえる。

正直どついてやりたい。

え、だって何がいい?って意見求めてんのに何でもいいって回答やで。

一番あかんやつやって。

まぁ意見求めてる側やから何も言われへんけどな!

『…強いて言うなら?』

私、我慢した!

えらい!

「チョコレート!」

『(こいつはあほなんか?)』

なんでさっきまで生チョコとか提案しとったのに、いきなり原点に戻んねん。

『だぁーっもう!今回も銀さんと同じモンでえぇやろ!ガトーショコラ!』

「えぇぇダメだよっ、どうせなら違うもの作ろうよ!」

『ほな溶かしチョコでえぇか!?』

「全然良くないって!絶対そんなの渡したらナメられるよ〜!」

ん…そうか。

いやでも私、割と最近まで溶かしチョコをバレンタインで渡…ゲフン、何でもあらへん。

『とりあえずネットで"簡単レシピ"で探してみるわ!』

「うんうんっ、それがいいにゃー!」

菊の嬉しそうな声を聞いとったら、なんでか私の心が癒やされる気ぃするわ。

あほとか言うて悪いけど

「…忍足、喜んでくれるといいね」

『え?あぁ…せやな。おおきに』

一瞬、低くなった菊の声に驚きつつも返事をする。

菊もそないな声出せるんやな。

「じゃあそろそろ俺は寝よっかなぁ」

『遅くまでスマンかったな、また結果報告するわ!』

「うん、待ってるよん!おやすみ〜♪」

通話終了画面になったのを確認して、私はため息をつく。

『菊…私が謙也だけにあげる思うてるんかな?

菊の口ぶりからしてそうやったような…。

まぁ数量的にはそのほうが少ないし有り難いけど、お礼でも何でもあらへんのに謙也一人にだけあげるって…なぁ?

なんか私が謙也のこと意識しとるみたいやん。

有り得へんけど!

手早くみんなに量産できるものを考えながら、その日私はそのまま眠りについた。
 
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