Best Friends

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『なぁ、すんごい気になることがあるんやけど』

今は謙也と並んで学校裏へと向かっとるとこや。

「ん?」

なんで着いてきたん?

いや、別にえぇけどさ。

なんであの会話の流れでこうなったん?

「そんなん、たまごを危険から守るために決まっとるやろ〜」

なるほど暇つぶしか

「あー、名古屋名物の!あれ旨いでなぁ」

それひつまぶしな

割とテンポ良く漫才をしとったら、あっという間に学校裏に着いてもうた。

『ここ初めて来るんやけど…静かでえぇとこやなぁ』

「せやな。俺も初めてやで」

ゆっくりと歩いとったら、池が見えた。

「お、これが真宝院池か!」

『綺麗やな…って、あ!あそこ!』

私の指差す方向に、謙也は素直に視線をやる。

「銀!」

そこには、身長縮みそうなくらい激しい水圧に耐える銀さんがおった。

『銀さーん!』

大声で叫びながら手を振ると、銀さんは気付いてくれたみたいや。

滝つぼから出てきてくれた。

『銀さん、お取り込み中に堪忍な!』

「あぁ、かまへんで。どないしたんや」

銀さんの言葉を聞いて私はスクールバッグを漁る。

『これやねんけど…』

おずおずとそれを差し出す。

「これ…この前ワシが渡した手ぬぐいと…ガトーショコラ…?」

銀さんガトーショコラ知ってたんや

いやほら、いかにも和菓子にしか興味なさそうやん…?

あとこれ手ぬぐいって言うんかぁ…

やっぱり和風男児やな銀さんは。

「おぉぉ、手作りお菓子とか…たまご、思ったより女子力あるやん!」

思ったより言うな

失礼な謙也に対して、銀さんは少しオロオロとしとった。

『この前転んだ時のお礼!ほんまおおきにな、また頼むわ!』

「スマンな…変に気ぃ遣わせてしもて」

『こちらこそおおきにな!あの時はほんまに助かったわ、感謝してんで』

へへへと笑いながら言えば、銀さんも笑いかけてくれた。

『…ほなそろそろ帰るわ!また明日な、銀さん!』

「おおきにな。気ぃ付けて」

「ほななー!」

謙也のその言葉を最後に、謙也と私はその場を後にした。
 
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