Best Friends

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『謙也』

放課後、今日は部活はなし。

スクールバッグを背負う謙也に私は声を掛ける。

「なんや?100円玉でも拾うたか?」

そのへんのがきんちょと一緒にすんなや!

コホンと咳払いをして私は謙也に問う。

『実は、聞きたいことがあるんやけど…』

「ん?」

『この時間の銀さんの居場所、知らん?』

予想外の質問に驚いたのか、謙也は目を丸くしとった。

「この時間やったら…学校裏の滝で修行しとるんちゃう?てか、なんで銀?」

『よぉ聞いてくれたな!それが実はこの前…』



***回想



『ヤーレンソーランソーラン…♪』

ヒラゼン先輩に頼まれて、タオルを取りに部室へと走っていた時。

『ソーランソーラン ハイッハイ!!』

不注意のせいで、足元に落ちてたバナナの皮に気付かんと…



ズルッ



『あべしッ!!』

ドシャアァァと、それはもう勢い良く滑って転んだんや。

『…っ誰やねんこんなとこにバナナの皮ほかしたのん!…った…』

思わずバナナの皮に向かって怒鳴るも、ピリッとした感覚によって意識を足元に戻される。

『あぁもう…ツイてへんわ…』

そんな時、突然目の前に影が射して…

『?』

手が差し出されたんや。

顔を上げるとそこにおったんは…

『銀さん…!!』

手を差し出されたことに感動しとったら、銀さんはおもむろにハンカチをポケットから取り出す。

『…?』

「ゆではん、怪我してはるわ」

ゆっくりと出血箇所にハンカチを当てて止血してくれた。

『えっ…ちょ、えぇよそんなん!放っといたらなおるし、ハンカチ汚れてまうで!』

「えぇんや。とりあえずこれ当てときぃ」

もう一枚ポケットからハンカチを取り出し、足に巻いてくれた。

『銀さん…おおきに…!』

「ムン」

ほんでそのまま私をおぶって、部室まで運んでくれたんや…。



***回想終了



「なんや銀、めっちゃ男前やないか!」

『せやろせやろ!で、今日そのお礼をしたくて探しとってん!』

「なるほどなぁ」

思い返しただけで男前やわぁ銀さん!

はぁ、はよお礼した「俺も行ってえぇか?」

『…え?』
 
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